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不登校漂流記 第2回:不登校生活の始まり

【1話から読む】

 

行きたくない訳が説明できない。

体の不調を理由に日に日に学校へ行かなくなる私でしたが、この時はまだ、どうして学校へ行けないのかわからずにいました。私自身にも、体が動かない理由を説明できないのです。頭痛や腹痛、痛みによって不調が出ていたのもつかの間。そうした痛みが出なくなると、今度は朝だけ体が固まって動かなくなりました。ただ朝、目が覚めたとき「あぁ、ダメだ」と思うと、それ以上体が動きませんでした。目が覚めた瞬間に、自分の体が動くかどうかすぐにわかるのです。

しかし、昼過ぎや夕方になるとケロッと調子は回復してきて、学校が終わる時間になるとピンピンしてゲームをしています。両親も「明日は行けそうだね」と言っていましたが、しかし翌日また体が重くなり、昼過ぎに元気になって、夕方にはゲームをしている。こんな日々が何度か続きました。

実際の所仮病だったのか、それとも本当に体が痛いのかというと、何とも回答に困ってしまいます。熱もなく、体が痛いわけでもないのに、朝は布団で横になったまま起き上がることができないのです。思うのは「あ、ダメだ」ということ。朝起きた瞬間に、体の中にあるエネルギーの残量を悟るように感じて、動かせなくなる、というのが私の症状でした。しかし「体が動かない」と言っても、全く両親には理解してもらえないので「おなかが痛い」とか「頭が痛い」とか「熱っぽい」と伝えていました。

これは学校へ行きたくないから、仮病をでっちあげる。というのとは、また違います。「そろそろ行かなくちゃいけないなぁ」とか「このままじゃだめだ」と思っているのに、体が全く動かない。自分の体のコントロールすら効かなくなっていきました。そして何より、その症状をちゃんと伝えても理解してもらえません。自分の体が思うように動かないのに、それを伝えると「そんなわけがあるか、起きろ」と言われてしまう。自分の思うようにいかない以上に、理解してもらえないことがずっと続きました。

不登校の一日。

ところで、不登校の生活スタイルって皆さんイメージできますでしょうか。ざっくりとしたイメージをお持ちの方もいるかと思うのですが、具体的にどのようにして一日を過ごすかをご存知の方は少ない、ということにして私の生活をご紹介します。

朝7時、先ほど言った通り体が動きません。もうだめです、動きません。ここはもう「動かない」としましょう。皆さんもイメージしてみてください、朝、起きたら体が石になってしまっています。でも、ほかの人にはそれが全然わからないので「なわけあるかちゃんと起きろ」と言われます。だんだん私は寝坊したふりをする、という手法を使っていました。そして、学校が終わる時間に向かうにつれてだんだん体の石化が解けていきます。

12時、だんだんと元気になってくる。今から学校に行っても、そこまで長くいることはないので、もうほとんど一日をあきらめた私はパソコンの前に座ってチャットをしたりゲームをしたりしていました。でも、罪悪感はひしひしと感じていて、玄関で音がしたり、足音を感じると体が固まって動かなくなります。

16時、学校が終わる時間になると、石化は完全に解けます。起き上がってご飯を食べたり、ゲームをしたりします。すると「なんだ、起きられるじゃん」などと言われます。ほんの少し前まで体が石だったことは誰にも理解されません。

そして、夜になると、父が帰ってきます。最初は心配そうだった父も、だんだん私に怪訝な目を向けるようになります。何度症状を伝えても、全く理解してもらえません。

「具合が悪いなら病院へ行ってちゃんと治すこと」

基本スタンスはこうです。大変常識的です、私だってそうします。ところが、朝は起きられませんし、昼からは元気なので病院へ行くことは躊躇します。「まぁ大丈夫だろう」という気分のまま何日も何日も過ぎました。

両親は行動を始めた。

ある日、父が会社から帰ってきて、私に言いました。

「どうして学校に行かないんだ」

私は意味が分かりませんでした。

「頭が痛かったり、おなかが痛かったりするから」

「でも、今こうしてゲームしてるじゃないか」

「それは、治ったから」

「本当に、具合が悪いのか?」

どうやら父は、私の仮病を疑っているようでした。

 

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著者:キッチンタイマー

 

1995年6月11日生まれ。モノ書き。中学3年間の引きこもりを経て、現在は発達障害の子どもたちを支援する塾で働いている。明日のこと、もとい3分後のことすらろくに想像ができない。基本的に人に興味はないが、なぜか彼女がいる。アクティブ系コミュ障のため人と会話をすると必ず論点を見誤ってしまう。珈琲が飲めない。苦いものが全般的に苦手。甘いものが大好き。現在はwebサイト「note」にてエッセイを投稿中。

https://note.mu/kitatani293

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