広汎性発達障害とは(前篇)
2017年2月11日 : 発達障害

広汎性発達障害とは(PDD)
広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders = PDD)には、主に3つの特徴があり、言葉などのコミュニケーションの障害(会話がなりたたない、かたことでの会話)や対人関係の障害(友達づきあいが苦手、他人に興味をもちにくい)、そして社会性の障害(強いこだわり、感覚の過敏、鈍感な反応)があります。
自閉症、高機能自閉症・アスペルガー症候群等・レット症候群・小児期崩壊性障害・また特定不能の広汎性発達障害も広汎性発達障害の中に含まれます。
コミュニケーションや対人関係の障害においては冗談や皮肉が通じず、言葉をそのまま受け止めてしまったり、相手の気持ちが理解できず、言ってはいけない言葉を発してしまったりして誤解を受けることもあります。また、社会性の障害では、強いこだわりによる困難さも見受けられます。たとえば食への強いこだわりによって偏食となったり、いつものパターンや手順ではなくなると癇癪を引き起こしたりパニックになってしまうこともあります。
感覚が敏感(鈍感)である方も多く、暗いところを極端に嫌がったり、大きな音やにぎやかな場所が苦手であったり、小さなお子さまだと、衣服の肌触りによって嫌がったりする場合もあります。
自閉症スペクトラム障害(ASD)とは
「自閉症スペクトラム障害」とは、いくつかの自閉症状のある障害が統合されてできた診断名です。
以前は自閉症やアスペルガー症候群など、それぞれの症状に違いがあるとされており診断基準も異なっていたため、それぞれが独立した障害として定義されていました。
しかし、年齢や環境などの変化によって自閉症からアスペルガー症候群へ診断名が変わったり、それぞれの支援方法も共通であることが多かっため、2013年、『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において「連続体」を意味する「スペクトラム」という言葉を用いて、障害と障害の間に明確な境界線を設けない考え方が採用されました。これにより、これまで自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、カナー型自閉症など様々な診断カテゴリーで記述されていたものを、「自閉症スペクトラム障害(ASD)」という診断名に統合されました。
広汎性発達障害は自閉症スペクトラム障害よりもさらに広い分類となっています。
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