困ったときに声をかけられる教室を目指して
2020年2月1日 : 未分類
将来が不安なんです。
進学、就職、将来。みらい教室でも、親御さんからそうした相談を受けることがあります。放課後等デイサービスにおいては、そうした相談はあまりメインのものではないのですが、これからのことを考えると不安に思う方はやはり多いように感じます。
放課後等デイサービスは18歳までしか利用ができないという制約があり、中学、高校への進学と共に卒業される利用者様もいらっしゃるため、そうした不安に対しては満足いただける回答ができていない状態でした。
そんな私たちに手を差し伸べてくださったのが、尼崎市障害者就労・生活支援センターみのりの柏原さんとチャレンジ・コヤリバの筒井さんです。お二人は主に就労相談を担当されており、同じ施設で相談事業と就労支援事業をされています。私たちは相談室、就労支援をされている実習室や、食堂など館内をくまなく見学させていただきました。広く、しかし、思いやりの生き届いた施設を見まわしながら、あれこれと興味の向くままにした質問にも柏原さんと筒井さんは丁寧に答えてくださいました。
「将来に関して不安を抱える親御さんがすごく多いんです。小学生、中学生の支援をしている私たちに、今から何かできることはありませんか?」
そうお尋ねしたとき、柏原さんはにこっと笑って言いました。
「ひとりで遊べる方って就職が早いんですよ。趣味のあるお子さんだといいですね。大人になったら、なかなかみんなと一緒に遊ぶのって難しいじゃないですか。だから、自分の好きなことを自分で選べる方っていうのは、ちゃんと自分でやりたいことを選べるんです」
私は、なんだかホッとした気持ちになりました。みらい教室に来る子供たちは、みんな自分の好きなことをしっかり持っているからです。柏原さんや筒井さんと話すうち、私は身を乗り出していました。
選び、失敗し、考える
柏原さんはお話の中で特に「自分の意思で選ぶこと」を大切にされていました。
「自分で選んだことなら、失敗してもいいんですよ。失敗って、100%全部失敗することはないじゃないですか、ちょっとだけでもできたとか、そういうことを自分で選んで積み重ねてね。それで、切羽詰まったときに、一緒に考えられればいいんです。でも、自分で選んだ道じゃないと、人間は弱いですから、選ばせた人のせいにしちゃう。失敗しても、どこまで何をできたとか、考えなくなってしまうんです」
私はすっかり夢中になって話をしました。そして、もしみらい教室のお子さんが就職で困っても、大丈夫だと思えました。大切なのは、困らないことではなく、困ったときに相談する場所をしっかり見つけておくことです。そして、小学生、中学生のとき苦手なことが見つかって困ったらみらい教室に相談に来てほしいと思いました。
お子さんのライフステージが変化するたびに困りごとはどんどん生まれてきます。しかし、その時々で助けてくれる人と場所があります。みらい教室も困りごとをサポートする一員として、多くの施設とつながっています。
みらい教室で解決できないことでも、別の施設をご案内できる環境が尼崎市ではゆっくりと整備されています。小さな相談事でも気軽にご相談いただける施設づくりを、みらい教室も進めています。
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